2011年11月21日

補う

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「……何かを被せる…?…何の意味が……」困惑するタロ。
「だよね〜、絶対目くらましとかの意味じゃないよね。古典的過ぎて。」

「被せる意味…被せる必要性…。。」
「アタシそれ昨日からずっと考えてたんだけどさー、魔法力高い人と
 戦うとするじゃん?そしたらやっぱ魔法でどうにかされちゃうでしょ?
 するってーと、魔法使えなくすりゃ対等に戦えるっしょ?
 だから、その為にそーゆー事してるとしか考えられないんだよね〜。
 だって今時後ろから何か被せられるだけで魔法力強い大人がだよ?
 さらわれたりしないもんね、絶対。」
「魔法を使えなくする………魔法力を………」

何かに気づいたタロはスクッと立ち上がる。
「うぉ!?どったの?タロさん(゚Д゚;;)」ビックリするサクラ。

「サクラの思考力には驚かされます。
 いや、私の頭が悪すぎるといった方が良いのかな…?」
「アタシは頭良くなんてないよ。
 ただ、タロさんは今色々な事を考えすぎて気づかないだけだと思うな☆
 それを気づかせてあげられる様、協力が出来るならアタシは嬉しい(^〜^)」

「ありがとう。」
「タロさん!………あの…気を付けて…」少し心配な顔をするサクラ。

「?……ええ、それでは…また…。」そういうとタロは消えていった…
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2011年11月14日

情報屋

翌日の昼に差し掛かる頃。。
港町テサロでは朝の賑わいがウソの様にゆっくりとした時間が流れていた。
情報屋サクラは普段は宿屋のカウンターを任されている。
『情報屋』というのは裏の顔なのである。

やはり宿屋の客というのは夜が多い。
朝に近い昼などは暇で暇でしょうがない程客は来ない為、隙あらば屋根でお昼寝コースとなってしまうのである。
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カウンターで魂の抜けそうな程ボーッとした顔のサクラは、たまらず屋根に逃げようと立ち上がった所に客が来た。
「チッ…」そう心の中で舌打ちをしてみたものの、良く見ればタロである。

「ぅああ!(゚∀゚;)タロさん!」一気に目が覚めるサクラ。
「おはようございます。今日は屋根では無いんですね」そう言って笑う。
「あ…。あと少し後だったら…多分屋根に居たよ…」枯れた笑いでごまかす。
「今、お時間宜しいですか?」
「へっへっへ。屋根でのお昼寝コースなら承りま〜っすΨ(`∀´)Ψ」
そう言って笑いながら屋根へと移動する。

「短い時間でしたが、何か情報はありましたか?」問うタロ。
「そうそう、あれからね夜は酒場・朝は港で聞いて回ったんだけどさ、
 ちょっと面白い話があったんだよね。」
「……面白い話とは…?」慎重に聞き返す。
「何かね、そのさらわれた現場を目撃した人が居て…
 それも大人がさらわれてる方の!やっぱり少年一人だったみたい。」
「…やはり行動しているのは少年一人…」

「んでね、ここからが問題。そのさらい方が変わってんの!
 ………後方から何かを被せてさらってたんだって!」
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2011年11月07日

フォーメーション

食事も終わり、チリは眠そうな顔をしながら何度もアクビを繰り返している。
「もう眠たいみたいね。」クスリと笑ってチリの頭を撫でるセレン。
そのままゆっくりと立ち上がり、入口へ向かう。

「あれ?何処行くの?」キーツが気にかける。
セレンは、入口の輪郭を指でなぞりながら呪文を唱える。
みるみるうちに入口に『膜』のようなものが出来る。
「え!何ソレ!何ソレ!(*゚Д゚*)」ワクワクするキーツ。
「一応、バリアを張っておこうと思って♪(^-^*)」ニコリと笑って振り返る。

「すげー!!」大はしゃぎをしてバリアに近づく。
「ねぇ、コレって色々出来んの?」興味津々で聞くキーツ。
「自由にとは言えないけど…、
 固定の場所に作るのであれば広範囲で作る事が出来るし、私の周りの
 約2m範囲でならずっと作っていられるの。
 でもそれ以上離れている物・人に対してだと…2分が限度かしら?」
ほぇ〜…と感心しながら聞くキーツ。
「じゃ、今後戦闘が起こる時のフォーメーションとしては、
 俺等男二人は前線に出る。んで、チリもアルテも後方からの攻撃だから
 セレンバリアに入ってればいいと!……ん〜、完璧だな☆(=∀=)v」
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満足げに語るキーツ。

「あの…魔法には強い方だと思うけど…打撃にはあまり自信ないの…」
オドオドと付け加えるセレン。
「ああ、そんなのは大丈夫!だいたい、打撃は自分で防ぐのが常識!」
な!とレオの方を見て言う。
レオは胸部の痛みを思い出しつつキーツをうらめしい顔で見る。。

「…やっぱり…何かあったの?(^^;)」心配そうに見守るセレンであった…
posted by taroc at 14:44| Comment(0) | TAROTSTORY | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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