2017年12月14日

カルトとポルク

カツッ…カツッ…カツッ…。。。
冷たい石の廊下に響く足音は、1つのドアの前で止まる。

コンッ!コンッ!…少し強い調子でドアがノックされる。

ガチャッ…。
「あっ、母様。どうしたの?」アンディをさらった少年、カルトが出てきた。
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「また新しい魔法力の反応が出てるわ。調べてきて頂戴。」
「うん。分かった。どっちが行けばいい?」

「そうね…」ひとしきり考えた女性は答えを出した。
「アンタはアンディと一緒に居た方が良いわね。ポルクに行って貰って。」
「え〜?また子守りぃ〜?」少し納得いかないカルト。

「アンタの方がアンディとずっと居て仲良くなってるでしょ?
 あの子をこれ以上不安がらせない為にも、お願い。」肩にそっと手を添える。
「う…うん。。分かった。」しおらしく言う事を聞く。
「ポルク!反応が出たから行ってこいってさ」部屋の中に居るポルクという者に伝えるカルト。
中からゆっくりと出てきて「それじゃ…行ってきます。」と、静かに出て行った。

「アイツ…大丈夫かな?」カルトが心配する。
「アンタより成績は優秀だし、心配されるのはどっちかと言うとアンタよ?」突っ込む女性。カルトがしょぼくれる。

「じゃ、アンディの力を引き出す為アンタは頑張るのよ」
そういって女性はさっそうと出て行った。。。
posted by taroc at 23:33| Comment(0) | TAROTSTORY | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月16日

レオの疑問

町を出たキーツ達、巨大イタチ2匹は足並みを揃えて走っていた。

「すいませ〜ん。1つ聞いていいですかー?」レオがセレン達の方に聞こえる様に大きな声で問いかける。
「なぁに〜?」チリが返事をする。
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「あのー、今魔法力が高い人が狙われてるんですよねー?」
「そうよー」
「先生やサジタさんは狙われないんですかー?」
「おお、ごもっともな意見だな。(゚Д゚)」キーツも耳を傾ける。

「レオは魔法力低いから分からないかもしれないけど、
 タロ様達の魔法力は私達と比べると桁違いなのー。
 だから、アンディを連れてったアイツはそのレベルの人達を
 狙えないって事なのよー」

「自分が負けちゃうからって事?」アルテが聞く
「そうね。。桁違いに強い者を相手にするリスクは大きいわね…」セレンが言う。
「質より量…。じゃぁ、もっとさらわれる人間が出るって事よね…」
「ええ…。その中にチリちゃんも自ずと入ってくるハズよ。」

「そう…。絶対捕まえてやるんだから!アイツ!…ね!キーツ!!!」
チリがあの時の事を思い出しキーツに同意を求める。

「ああ、、、」
「……?」
真剣な顔をして返事をしたキーツだが、チリはもっと力強く返事が返ってくるものだと思っていたので、拍子抜けな顔をした。。。
posted by taroc at 13:38| Comment(0) | TAROTSTORY | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月05日

兄さん

「それでは、サクラに宜しく伝えておいて下さい」
「は〜いよ☆…んじゃセンセー、くれぐれもやりすぎは禁物ですからな!
 センセーがどうかなったらワシは誰の弟子すりゃいーんですか!」

「分かりました。フフッ…サジタは私の母親代わりですね…」
クククと笑うタロ。
「何じゃ!それはー!誰がそう言わせてるか良く考えて下さいよー!」サジタ憤慨。

「いつも心配させてすみません。
 …でも私と一緒にいたら永遠そうなる可能性が高いかもですね」悪ぶって言う。
「……(=Д=;)…す…少しは自分で気をつけるとか考えんのですかっ!」
「アッハッハ!」タロは子供のように笑った。
「アハハじゃないですよ…ホンットに……(`^´) ブツブツ…」

「サジタの前だと安心するんです。…という理由では許してくれませんか?」

「……(=_=*)…そ…そんな…改まって言わんといて下さい。。ずるいな…
 だからって!気をつけないでいいという訳では無いんですからな!」これでもかと言うサジタ。

「分かっています。サジタ兄さん…(^^)」

タロはローブをひるがえしてデルフュへと向かった。

言葉を詰まらせるサジタ。。
「…(=_=)……その呼び方は……禁止やと言うとったじゃろ…」
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ボリボリと頭を掻き、タロの後ろ姿を見送るのであった…
posted by taroc at 22:21| Comment(0) | TAROTSTORY | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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